
「デザイン重視で椅子を選んだら、お客様の滞在時間が短くなった」
椅子は内装の中でも見落とされがちですが、
滞在時間・満足度・回転率に直結する重要な什器です。
この記事では、BARの椅子選びで失敗しないための基準を解説します。
椅子が経営に与える影響
椅子は「見た目」より先に「座り心地」で選ぶべき什器
どれだけおしゃれな椅子でも、座り心地が悪ければ
お客様は早く帰りたくなります。逆に快適すぎる椅子は、
回転率を求める業態にはそぐわない場合もあります。
自店のコンセプトに合わせたバランスが重要です。
高さ・座り心地の基本寸法
「BARのカウンター設計で失敗しない方法」でも触れた通り、椅子はカウンターとのバランスで選ぶ必要があります。
| 項目 | 目安寸法 |
|---|---|
| 座面の高さ | カウンター高さより30〜40cm低いのが目安 |
| 座面の奥行き | 35〜40cm程度(浅すぎると不安定、深すぎると出入りしにくい) |
| 背もたれの有無 | 長時間滞在を狙うなら背もたれあり、回転率重視ならなしも選択肢 |
| フットレストの高さ | 座面から25〜30cm程度下が目安 |
「実際に座って試す」ことを省略しない
カタログスペックだけで判断せず、
実物に座って体感することが失敗を防ぐ一番の方法です。
可能であればショールームで、複数人の体格で試してみてください。
椅子のタイプと特徴
| タイプ | 特徴 | 向いている店舗 |
|---|---|---|
| バースツール(背もたれなし) | コンパクトで省スペース、移動もしやすい | 回転率重視、カジュアルなBAR |
| 背もたれ付きハイチェア | 長時間座っても疲れにくい | じっくり滞在してもらいたいBAR |
| アームチェア型 | 高級感があり、くつろぎ感が強い | ラウンジ・高単価帯のBAR |
| キャスター付きチェア | 移動・レイアウト変更がしやすい | イベント開催など柔軟な運用をしたい店舗 |
素材選びのポイント
| 素材 | 特徴 |
|---|---|
| 本革・合成皮革 | 高級感があるが、手入れを怠るとひび割れ・劣化しやすい |
| ファブリック(布地) | 座り心地が良いが、汚れが染み込みやすく清掃性に劣る |
| 木製 | ナチュラルな質感、水濡れ・汚れへの耐性は素材による |
| メタル・樹脂製 | 耐久性・清掃性に優れるが、冷たい印象になりやすい |
BARは飲み物をこぼすリスクが高い業態
ファブリック素材は座り心地が良い一方、
シミになりやすいという弱点があります。
合成皮革や撥水加工素材など、清掃性を考慮した選択が無難です。
デザインと回転率のバランス
「居心地が良すぎる椅子」は諸刃の剣
長時間座っていたくなる椅子は満足度を高めますが、
客単価が低いメニュー構成のまま長時間滞在されると、
席あたりの売上効率が下がるリスクがあります。
✅ バランスの取り方
- 客単価が高い・じっくり飲むスタイルの店は、快適性重視の椅子を選ぶ
- 客数を多く回したい・カジュアルなスタイルの店は、適度な座り心地の椅子を選ぶ
- 席によって椅子のタイプを使い分ける(カウンターは回転重視、ソファ席はゆったり系など)
耐久性・メンテナンス性
- 業務用として設計された椅子は、家庭用より耐久性が高く長期利用に向く
- 座面カバーが交換可能なタイプは、汚れ・劣化時のメンテナンスコストを抑えられる
- キャスター・脚部の金具は、床材との相性(傷つきにくさ)も確認する
- 破損・劣化時にすぐ買い替えられるよう、予備の在庫確保や購入先の把握をしておく
この記事のまとめ
- 椅子は見た目より先に、座り心地と滞在時間への影響を基準に選ぶべき什器。
- 座面の高さはカウンターより30〜40cm低いのが目安で、実際に座って確認することが重要。
- バースツール、背もたれ付きハイチェアなど、コンセプトに応じてタイプを選ぶ。
- BARは飲み物をこぼすリスクが高いため、清掃性の高い素材選びが無難。
- 快適すぎる椅子は満足度を高める一方、回転率を下げるリスクもあるためバランスが必要。
- 業務用の耐久性・メンテナンス性を考慮し、長期的な運用コストも見据えて選ぶ。
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