
「何を買えばいいかわからない」
「全部揃えようとしたら予算オーバーになった」
設備・備品の準備でつまずく人は多い。
この記事では、BAR開業に本当に必要な設備を
「絶対必要・あると便利・後から買えばいい」の3段階に分けて整理します。
何を買って、何を後回しにすればいいかが、この1記事で全てわかります。
目次
設備購入の考え方:「揃えすぎ」が最大の失敗
開業前に「全部完璧に揃えてからオープンしたい」という気持ちはわかります。でも、揃えすぎは資金を圧迫し、使わない設備が場所をとり、結果として経営を圧迫します。
設備には3つの優先度があります。この分類を頭に入れてから、リストを見てください。
🔴 絶対必要
開業日までに必須
これがないと営業できない
🔵 あると便利
余裕があれば用意
品質・効率が上がる
⚪ 後から買えばいい
営業しながら判断
客の反応を見てから
開業前に全部揃えようとしない
「開業前に全部揃えて完璧な状態でオープンしたい」という気持ちは理解できますが、実際に営業してみないとわからないことが必ずあります。「このグラスは使わない」「この機器は必要なかった」ということは、現場に立って初めてわかります。最初は最低限で始めて、必要なものを足していく方が賢明です。
厨房・調理設備
🧊 冷蔵・製氷設備
| 設備名 | 優先度 | 目安価格 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 業務用冷蔵庫 アンダーカウンタータイプ推奨 | 絶対必要 | 新品:8〜20万円 中古:3〜8万円 | 家庭用は耐久性・容量ともに不足。業務用一択。コンプレッサー音・消費電力も確認。 |
| 製氷機 キューブアイス製造タイプ | 絶対必要 | 新品:10〜25万円 中古:4〜10万円 | BARにとって氷は命。製氷能力(1日あたりkg数)と貯氷量を確認。小型店は30kg/日タイプで十分。 |
| ワインセラー・ボトルクーラー | あると便利 | 3〜15万円 | ワインやシャンパンを扱う場合は必要。スパークリング専門でなければ冷蔵庫で代用可。 |
冷蔵庫と製氷機だけは新品・準新品を強く推奨
「中古で節約したい」気持ちはわかりますが、冷蔵庫と製氷機が壊れると営業が止まります。特に製氷機は衛生面でのリスクもあるため、信頼性の高いものを選んでください。ホシザキ・パナソニック・フクシマガリレイが業務用の定番3社です。
🚰 シンク・水回り設備
| 設備名 | 優先度 | 目安価格 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 業務用シンク(2槽式) | 絶対必要 | 新品:3〜8万円 中古:1〜4万円 | 保健所の基準として2槽式シンクが必要。飲食店営業許可取得の条件になっていることが多い。 |
| グリストラップ | 絶対必要 | 設置費込み:5〜20万円 | 油水分離装置。飲食店として保健所許可を取るために必要。居抜き物件なら既設のことが多い。 |
| ハンドシンク(手洗い専用) | 絶対必要 | 1〜3万円 | 保健所の要件として、調理用シンクとは別に手洗い専用シンクが必要。 |

カウンター内の設備配置が、毎日の作業効率を左右する。
バー用品・ツール類
🍹 カクテル・ドリンク制作ツール
| 設備名 | 優先度 | 目安価格 | ポイント |
|---|---|---|---|
| シェーカー(3ピース)バースプーン・ストレーナーセット | 絶対必要 | セット:3,000〜15,000円 | ステンレス製。安価なものでも機能は十分だが、重さ・持ちやすさにこだわると仕事がしやすくなる。 |
| ミキシンググラス | 絶対必要 | 2,000〜8,000円 | ステアカクテルに使用。耐熱性・容量を確認。割れ物なので予備を1つ用意しておくと安心。 |
| メジャーカップ(ジガー) | 絶対必要 | 500〜2,000円 | 30ml/45mlの両面タイプが基本。品質の安定したカクテルを作るために必須。 |
| アイスピック・アイストング | 絶対必要 | 各1,000〜3,000円 | 氷を扱うための基本ツール。BARではほぼ毎回使う。複数本あると便利。 |
| カクテルピン・マドラー | 絶対必要 | セット:1,000〜3,000円 | 装飾・混ぜるための基本アイテム。使い捨てと繰り返し使用可のものを用途で使い分ける。 |
| ブレンダー(ミキサー) | あると便利 | 業務用:3〜10万円 | フローズンカクテルを作る場合は必要。提供しないなら不要。家庭用は業務に耐えられない。 |
| ボトルオープナー・ワインオープナー | 絶対必要 | 各500〜3,000円 | ソムリエナイフタイプが使いやすい。予備を必ず用意しておくこと。 |
| フルーツカッティングボード・包丁 | 絶対必要 | セット:3,000〜10,000円 | ガーニッシュ(飾り)用のフルーツカットに使用。衛生管理を徹底すること。 |
グラス・食器類
グラスについては別記事で詳しく解説しますが、ここでは必要な種類の概要と数量の目安だけ整理します。
🥃 基本グラスセット
| グラスの種類 | 優先度 | 目安数量 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| オールドファッショングラスロックグラス | 絶対必要 | 席数の1.5〜2倍 | ウイスキーロック・カクテルに最もよく使うグラス。まず最初に揃える。 |
| カクテルグラスマティーニグラス | 絶対必要 | 席数と同数 | ショートカクテルの定番。ステアカクテルの提供に使う。 |
| ハイボールグラスコリンズグラス | 絶対必要 | 席数の1.5〜2倍 | ハイボール・ロングカクテル全般に使用。使用頻度が高いため多めに揃える。 |
| ショットグラス | 絶対必要 | 6〜10個 | ストレートでの提供・計量にも使える。小さいが必需品。 |
| シャンパングラス(フルート) | あると便利 | 4〜8個 | スパークリングワイン・シャンパンカクテルに。業態によっては必須。 |
| ワイングラス | あると便利 | 4〜8個 | ワインを提供する場合。業態によっては不要。 |
グラスは「割れる」前提で揃える
グラスは必ず割れます。最初から「予備込みの数」で揃えることが大前提です。目安は実際に使う数の1.5〜2倍。また、全て同じシリーズで揃えると割れたときに補充しやすいというメリットがあります。

グラスの種類と数は「使う分の1.5〜2倍」を基準に揃える。
家具・インテリア設備
🪑 カウンター・テーブル・椅子
| 設備名 | 優先度 | 目安価格 | ポイント |
|---|---|---|---|
| バースツール(カウンター席用椅子) | 絶対必要 | 1脚:5,000〜30,000円 | カウンターの高さに合わせた座面高を選ぶ。座り心地は必ず実際に座って確認。長時間座れるかが重要。 |
| テーブル席用テーブル・椅子 | あると便利 | セット:2〜10万円/卓 | テーブル席を設ける場合のみ。カウンターだけで始めるなら不要。居抜き物件なら既設の活用を。 |
| 照明器具(スポット・間接照明) | 絶対必要 | 全体:10〜40万円 | 内装工事と一体で発注するのが一般的。照明はBARで最も重要な要素。 |
電気・IT・レジ周り
💻 決済・管理システム
| 設備名 | 優先度 | 目安価格 | ポイント |
|---|---|---|---|
| Squareリーダー+スマホ/タブレット | 絶対必要 | 端末:5,000〜15,000円 | こちらで詳しく解説。BARのレジはSquare一択。スマホがあればすぐ始められる。 |
| Wi-Fiルーター | 絶対必要 | 機器:5,000〜20,000円 | Squareの使用・BGM配信・予約管理など、全てのデジタル運営に必要。光回線を店舗に引く。 |
| Bluetoothスピーカー/音響設備 | 絶対必要 | 1〜15万円 | BARのBGMは雰囲気の一部。家庭用でも始められるが、音質と音量の安定感を確認。 |
| 監視カメラ | 後から買えばいい | 1〜5万円 | 防犯・トラブル対応のために有効。開業後に必要を感じてから導入でも遅くない。 |
| レシートプリンター | 後から買えばいい | 1〜3万円 | Squareの電子レシートで代用できることが多い。紙レシートを求める客が多い場合に導入。 |
消耗品・衛生用品
🧹 衛生・消耗品
| 品目 | 優先度 | 月のコスト目安 | ポイント |
|---|---|---|---|
| グラス拭きクロス(リネン) | 絶対必要 | 月2,000〜5,000円 | グラスをピカピカに拭き上げるのはBARの基本。使い古したクロスは客に気づかれる。定期的に交換。 |
| 除菌スプレー・アルコール | 絶対必要 | 月1,000〜3,000円 | カウンター・ツール類の衛生管理に必須。業務用のものを大容量でストック。 |
| ナプキン・コースター | 絶対必要 | 月1,000〜3,000円 | コースターはBARの小道具として雰囲気を作る。オリジナルコースターを作ると印象に残る。 |
| ゴミ袋・ゴミ箱 | 絶対必要 | 月500〜1,500円 | 分別ルールに合わせた種類を準備。カウンター内・客席用と分けて設置。 |
| ストロー・マドラー(使い捨て) | あると便利 | 月500〜2,000円 | 紙ストローへの切り替えを検討。環境配慮の姿勢は客の印象にも影響する。 |
設備費の総額と節約の考え方
絶対必要な設備のみ
(最小構成)
50〜100万円
標準的な揃え方
(推奨構成)
80〜150万円
全部新品
こだわり仕様
150〜250万円超
✅ 節約できる場所
❌ 節約すべきでない場所
中古設備を買うときの注意点

道具の質は仕事の質に直結する。主要ツールは妥協しない。
購入前チェックリスト
開業前に「全て揃っているか」を確認するためのリストです。印刷して使ってください。
🔴 絶対必要(開業日までに揃える)
🔵 あると便利(余裕があれば開業時に)
⚪ 後から買えばいい(営業しながら判断)
この記事のまとめ
- 開業前に全部揃えようとしない。「絶対必要・あると便利・後から買えばいい」の3段階で考える。
- 冷蔵庫と製氷機だけは新品・準新品を選ぶ。壊れると営業が止まる。
- シンクとグリストラップは保健所許可の条件。内装工事前に要確認。
- グラスは使う数の1.5〜2倍を揃える。割れる前提で準備する。
- 中古設備はグラス・家具で活用し、製氷機・冷蔵庫・シンクは妥協しない。
- 設備費の目安は最小構成で50〜100万円、標準構成で80〜150万円。
- チェックリストで抜け漏れを確認してから開業日を迎える。
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