BARに必要なシンクの基準|保健所対策で失敗しない設備選び

「BARってお酒だけだから、シンクは適当でいいんじゃない?」

これで内装工事が終わったあとに保健所の検査に落ちる人が本当に多い。

シンクは飲食店営業許可の中でも、保健所が最初にチェックする設備のひとつです。
この記事では、BARを開業する際に必要なシンクの基準と、よくある勘違いを整理します。

なぜシンクの基準が重要なのか

飲食店営業許可を取得するには、保健所の施設検査に合格する必要があります。その中でもシンク(洗浄設備)は、食中毒予防の観点から必ずチェックされる項目です。

シンクが基準を満たしていないと内装工事のやり直しになる

図面段階、遅くとも工事着工前に保健所へ事前相談するのが鉄則。
「工事が終わってから検査で落ちた」というケースは、
ほぼ全てこの事前相談を省略したことが原因です。

シンクの基本基準

食材と食器の洗浄を別々に行うため、厨房のシンクは2槽以上が必要とされています。

項目基準の目安
必要な槽数2槽以上(自治体により3槽必須のケースもあり)
1槽あたりのサイズ幅45cm × 奥行36cm × 深さ18cm以上
給湯設備洗浄・消毒用にお湯が出ること(2槽どちらでも使えるのが望ましい)
食器洗浄機がある場合1槽分として代替可能な自治体が多い(要確認)
なぜ2槽必要なのか

一方の槽で洗剤を溶かした湯を作って洗い、
もう一方の槽で洗剤をすすぎ流す、という工程を分けるため。
1槽だけだと、洗った水で二次汚染が起きるリスクがあるとされています。

2021年の法改正で変わったこと

食品衛生法の改正(2021年6月施行)により、国の基準としてはシンクの槽数・サイズの一律規定が緩和されました。現在は「必要かつ十分な設備であること」という表現に変わっています。

⚠️ ただし現場の運用は変わっていない

  • 多くの保健所は、従来通り「2槽・45×36×18cm以上」を実質的な基準として運用している
  • 自治体ごとの裁量差が大きくなったため、「法律が変わったから1槽でいい」は通用しない
  • 最終判断は営業許可を出す管轄保健所次第。必ず個別に確認する
「ネットで見た情報」を鵜呑みにしない

シンクの基準は地域差が非常に大きい分野です。
他県の事例や数年前の情報をそのまま信じて設計すると、
着工後に「うちの管轄ではNG」と言われるリスクがあります。

BAR特有の注意点

BARは、酒類の提供が中心でフード提供が最小限(乾き物・簡単なつまみ程度)という業態のため、一部自治体では緩和措置の対象になることがあります。

✅ 知っておきたいポイント

  • 「簡易な営業」として、アルコールと乾き物中心の店舗向けに緩和措置を設けている自治体がある
  • ただし、フードメニュー(自家製のつまみ・軽食など)を本格的に提供する場合は、通常の飲食店と同じ基準が適用されやすい
  • カクテル制作用の洗浄(シェイカー・グラス類)も想定した動線・槽数を検討する必要がある
「うちはお酒だけだから大丈夫」と自己判断しない

緩和措置の有無・条件は自治体によって差が大きく、
提供するフード内容によっても判断が変わります。
必ず事前相談で「自分の業態」を伝えて確認してください。

手洗い設備は別途必要

シンク(洗浄設備)とは別に、従業員用の手洗い設備の設置が義務付けられています。

項目基準の目安
サイズ幅36cm × 奥行28cm以上
蛇口の形状自動センサー式、または肘・足で操作できるレバー式(手で直接触れない構造)
消毒液設置が必須
設置場所厨房内・トイレ内それぞれに必要
2021年の法改正で蛇口の形状要件が厳格化された

手洗い後の再汚染防止のため、手を触れずに操作できる蛇口が必須。
居抜き物件で旧型の手洗い器が残っている場合、
このポイントで引っかかることが非常に多いので要注意。

居抜き物件でよくある落とし穴

  • 前テナントが飲食店ではなかった(シンク自体が未設置、または基準を満たさない)
  • 前テナントの営業許可時期が古く、当時の基準(旧型手洗い蛇口など)のまま残っている
  • シンクの槽数はあるが、サイズが現行基準を下回っている
  • 食器洗浄機を導入予定だが、管轄保健所では1槽分として認められないケースがある
居抜き物件こそ事前相談が必須

「前のお店も飲食店だったから大丈夫」という思い込みが一番危険。
契約前に現況のシンク・手洗い設備の写真を持って
保健所に相談することを強くおすすめします。

事前相談で必ず確認すべきこと

  1. 管轄保健所での必要槽数(2槽か3槽か)
  2. 1槽あたりの具体的なサイズ基準
  3. 食器洗浄機を1槽としてカウントできるか
  4. BAR業態としての緩和措置の有無と適用条件
  5. 手洗い設備の蛇口形状・サイズの現行基準
  6. 給湯設備(お湯の温度基準含む)の要件

この記事のまとめ

  1. 家賃比率=月額家賃÷月間売上×100。BARも含め飲食業全体で10%前後が目安とされる。
  2. BARは客単価が高い分、坪売上を稼ぎやすいが席数が少ないためブレやすい業態。
  3. 家賃比率が上がるほど利益は直接圧縮される。
  4. 20%を超えると赤字ラインに近づく。 開業初期の家賃比率20〜25%は珍しくない。重要なのは「下がる見込み」があるかどうか。
  5. 物件契約前に家賃から目標売上・日商・必要客数を逆算し、現実的に達成可能か検証する。
  6. 家賃だけでなく原材料費・人件費を含めたFLR比率全体でバランスを見ること。

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