BAR経営で毎月見るべき数字|知らないと黒字でも潰れます

「経営の数字って結局何を見ればいいの?」
これはBARオーナーから最も多く受ける質問のひとつです。会計の専門知識は必要ありません。
毎月見るべき数字は実は8つだけです。

この記事では、FP資格を持つ現役オーナーが、
BAR経営者が本当に必要な数字だけを厳選して解説します。

数字を見ない経営者が失敗する理由

「お酒と接客が好きだから数字は苦手」という方は多い。でも、数字を見ないまま経営を続けると、問題が深刻化してから気づくことになります。

数字を見ない経営の典型的な末路

「なんとなく順調そう」という感覚で半年過ごす → 実は毎月少しずつ赤字が積み上がっていた → 半年後に資金が底をついて気づく → 立て直しが困難な状態になっている。これは数字を記録していれば、3ヶ月目で気づけたはずの問題です。

難しい会計知識は不要です。これから紹介する8つの数字を、毎月記録するだけで十分です。

毎月見るべき8つの数字

数字 01
💴月間売上
最も基本的な数字。Squareなどのレジデータから自動で集計できます。「今月いくら売れたか」を正確に知ることが、全ての経営判断のスタート地点です。

・確認頻度 毎日
・データソース Squareレポート
・記録単位 日次・月次

見るときのポイント
単月の数字だけでなく「前月比」「前年同月比」も併せて見る。
一時的な変動か、傾向的な変化かを区別することが大切。
数字 02
👥延べ来店数
1ヶ月間に何人(延べ)が来店したかという数字。
売上を「客数」「単価」「頻度」に分解する基礎になります。
レジの会計回数で簡易的に把握できます。

・確認頻度 毎日
・データソース Square会計回数
・記録単位 日次・月次
数字 03
💰客単価
「月間売上 ÷ 延べ来店数」で計算する、1人あたりの平均利用額です。
客単価の変化は、接客の質・メニュー戦略・価格設定の効果を測る重要な指標になります。

月間売上 ÷ 延べ来店数 = 客単価

・小規模BAR目安 4,000〜7,000円
・確認頻度 月次

客単価が下がっているときの確認ポイント
・提案接客が減っている
・ボトルキープの利用者が減っている
・客層が変化している(学生・観光客が増えた等)のいずれかが原因として多い。
数字 04
🧮原価率
「月間仕入れ費 ÷ 月間売上 × 100」で計算します。
仕入れのレシート・請求書を月末に合計するだけで算出できます。

月間仕入れ費 ÷ 月間売上 × 100 = 原価率(%)

・理想 20〜25%
・許容範囲 25〜30%
・危険ライン 35%以上
数字 05
🔒固定費(家賃・光熱費・通信費等)
毎月必ず出ていくお金の合計です。
家賃・光熱費・通信費・保険料・借入返済額などを全て合算します。
固定費を把握していないと「最低限いくら売る必要があるか」の損益分岐点がわかりません。

固定費の漏れに注意
家賃・光熱費は意識されやすいですが、
保険料・サブスクリプション・定期購読費・借入返済が漏れていることが多い。
年1回、全ての固定費を棚卸しする習慣をつける。
数字 06
💎営業利益(手残り)
「月間売上 ー 仕入れ費 ー 固定費」で計算する、実際に手元に残る金額です。
これがBAR経営者にとって最も実感に近い「経営の成績表」です。

月間売上 − 仕入れ費 − 固定費 = 営業利益

営業利益が「自分の生活費」を含むかに注意
一人営業の場合、自分の取り分(生活費分)を「人件費」として固定費に計上してから営業利益を出すのが正確な計算方法です。
数字 07
🔄リピート率
「2回以上来店した客数 ÷ 全体の客数 × 100」で計算します。
リピート率はBARの売上安定度を最も反映する指標です。
新規客だけに依存している店は不安定です。

2回以上来店した客数 ÷ 全体の客数 × 100 = リピート率(%)

・健全な目安 60%以上
・確認頻度 月次〜四半期
数字 08
🏦手元現金(残高)
利益が出ていても、手元の現金が足りないと経営は止まります。
銀行口座の残高を月末に確認し、「月商の何ヶ月分の現金があるか」を毎月チェックしてください。

・最低ライン 月商の3ヶ月分
・確認頻度 月次

8つの数字を毎月確認するだけで、経営の健康診断ができる。

数字の記録方法とフォーマット

難しい会計ソフトは不要です。Excelやスマホのメモでも十分です。次のようなシンプルな表で月次管理を始めてください。

月次トラッキングシートの例

項目1月2月3月4月
月間売上78万82万75万88万
延べ来店数165172158180
客単価4,7274,7674,7474,889
原価率24%23%26%22%
固定費30万30万30万30万
営業利益29万33万25万39万
リピート率58%61%63%65%
2〜3ヶ月分溜まると傾向が見える

1ヶ月だけの数字では判断できないことが、2〜3ヶ月分並べると傾向として見えてきます。「客単価が毎月少しずつ上がっている」「原価率が徐々に悪化している」など、変化に早く気づけることが数字管理の最大の価値です。

数字をいつ・どの頻度で見るか

確認頻度確認する数字所要時間
毎日当日売上・来店数1〜2分
週1回週間売上の振り返り・在庫状況の確認10〜15分
月1回8つの数字全てを集計・記録・前月比較30〜60分
四半期3ヶ月のトレンド確認・原価率の見直し・価格の見直し1〜2時間
月末の「数字チェックの時間」を固定する

「毎月25日の営業終了後に数字をまとめる」など、固定の時間を決めてください。「時間ができたらやろう」では、忙しさを理由に後回しになり続けます。30分のルーティンとしてカレンダーに入れておくことをすすめます。

数字の「異常」をどう判断するか

数字の変化を見たときの判断フロー

  • 売上が前月比10%以上下がった→ 客数が減ったか客単価が下がったかを分解して確認。季節要因か、何か特定の原因があるかを探る。
  • 原価率が前月比5%以上上がった→ 仕入れ価格の上昇、廃棄の増加、使用量の管理不足のいずれかを確認。
  • リピート率が下がっている→ 接客の質・メニューの飽き・競合店の出現などを振り返る。常連客に直接聞いてみるのも有効。
  • 手元現金が減っている→ 利益が出ていても、税金・大きな支出(修繕等)のタイミングと重なっていないか確認。資金繰りの見直しが必要。

数字管理を続けるためのコツ

継続するための3つの工夫

  • 完璧を求めない:最初は8つ全部を完璧に記録できなくていい。「月間売上」だけでも記録を始めれば十分な進歩。
  • テンプレートを固定する:毎月同じフォーマットで記録することで、入力の手間が減り、比較もしやすくなる。
  • 数字を「誰かに見せる」前提で記録する:税理士・FP・経営者仲間に定期的に共有することで、記録する習慣が定着しやすくなる。

この記事のまとめ

  1. BAR経営者が毎月見るべき数字はたった8つ。会計の専門知識は不要。
  2. 最重要は「売上・延べ来店数・客単価」。この3つだけでも経営の現状がわかる。
  3. 原価率(20〜25%が理想)と固定費を把握すれば、損益分岐点が見える。
  4. 営業利益(手残り)・リピート率・手元現金が経営の安定度を測る後半3指標。
  5. 月1回30分の「数字チェックの時間」を固定してルーティン化する。
  6. 2〜3ヶ月分のデータが溜まると傾向が見える。早期に異常を発見できる。
  7. 完璧を求めず「売上だけでも記録する」ところから始めればいい。継続が最も重要。

一人で悩むより、一度相談してください

開業の失敗は「知識不足」より「相談不足」から始まります。
開業前・開業後どちらでもOK。まず話しましょう。

💬 公式LINEで無料相談する

秘密厳守 / 即日対応 / 相談無料