
「BARをやりたい」という気持ちはある。
でも、何から手をつければいいのかまったくわからない。
そんな状態の人がほとんどです。
この記事では、
BAR開業の経験がゼロの人でも迷わずに動けるよう、
最初にやるべきことをステップ順に、現場目線でまるごと解説します。
まず「なぜBARをやりたいのか」を言語化する
多くの人が、「お酒が好きだから」「接客が楽しいから」という気持ちでBAR開業を考えます。その気持ちは本物で、大切なものです。ただし、それだけでは開業後に壁にぶつかります。
最初にやるべきことは、ビジネスプランでも物件探しでもなく、「自分はどんなBARを作りたいのか」を言葉にすることです。
よくある失敗パターン
「とにかく開業してから考えよう」という人ほど、開業後6ヶ月で経営の方向性に迷い始めます。コンセプトが曖昧なまま進むと、物件選びも、メニューも、内装も、全てが中途半端になります。
自分に聞くべき3つの質問
まずはこの3つに、自分なりの答えを出してみてください。
この3つに答えられると、後のステップがすべて楽になります。物件も「このコンセプトに合うか」で判断できる。メニューも「ターゲット客が喜ぶか」で絞り込める。答えが出ない人は、好きなBARに足を運んでみることから始めてください。
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コンセプトの言語化は、開業前の最初の一歩。
BARの業態を決める
「BAR」と一言で言っても、業態はさまざまです。ここを曖昧にしたまま進むと、コンセプトも資金計画も崩れます。自分がやりたいのは何か、まず確認してください。
A オーセンティックBAR
バーテンダーの技術と知識が前面に出る、正統派スタイル。ウイスキーやカクテルの専門性を売りにする。客単価が高めで、静かな空間が多い。初期投資が重くなりやすい。
高単価向け
B ダイニングBAR
フードも充実させた飲食×BARの業態。回転率が上がりやすく、客単価の幅も広い。飲食の仕込みが必要なため、オペレーションが複雑になりやすい。
ファミリー・グループ向け
C スタンディングBAR・角打ち系
スペースと初期投資を抑えやすく、回転が早い。立ち飲みスタイルで気軽さが売り。一人経営・少人数向けの業態として注目されている。
低コスト開業向け
D テーマ・コンセプトBAR
ゲーム・音楽・映画・特定のお酒など、明確なテーマを打ち出すスタイル。SNSとの相性がよく、拡散力がある。コアなファンを作りやすい反面、刺さらない人には刺さらない。
SNS集客向け
現場からの一言
最初は「自分が通いたいと思えるBAR」の業態を選ぶのが一番続きます。流行っているからという理由だけで業態を決めると、途中でモチベーションが折れます。
開業までの全体スケジュールを把握する
開業は思っているより時間がかかります。「早くて半年、普通は1年」と覚えておいてください。準備期間が短すぎると、物件・資金・許認可のどこかで必ずつまずきます。
0〜1ヶ月目
コンセプト・業態・ターゲット決定
やりたいBARの方向性を固める。競合リサーチ・実際のBAR巡り・自己分析。ここが最初の土台。
1〜3ヶ月目
資金計画・物件探し開始
自己資金の確認、融資の検討、エリアと坪数の目安を決める。物件は「いい物件ほど早く埋まる」ため、早めに動き出す。
3〜5ヶ月目
物件契約・内装工事・設備手配
物件が決まったら内装業者への依頼、設備・備品の発注。工事中に許認可申請も並行して進める。
5〜6ヶ月目
仕込み・トレーニング・プレオープン
メニュー最終確認、スタッフ研修(一人経営の場合は自分のトレーニング)、SNS事前告知。
6ヶ月目〜
グランドオープン
開業後3ヶ月が最も大事。初月から数字を記録して、PDCAを回す習慣をここから作る。

スケジュールの全体像を把握しているかどうかで、準備の質が変わる。
必要な資金の概算をつかむ
細かい数字は別記事で詳しく解説しますが、まず頭に入れておくべき概算があります。
BAR開業に必要な初期費用の目安は、業態・規模によって大きく異なりますが、最低でも300〜500万円は見ておく必要があります。スケルトン物件(内装なし)からの出店や、広い坪数では1,000万円を超えることもあります。
初期費用の主な内訳(概算)
資金不足は開業後に発覚する
「内装に予算を使いすぎて、開業後の運転資金が底をついた」という失敗は非常に多いです。初期費用だけでなく、開業後3〜6ヶ月の赤字を耐え切れる余力が必要です。
必要な資格・許可を確認する
BARを開業するには、複数の許可・届出が必要です。これを後回しにすると、オープン直前に「許可が間に合わない」というトラブルになります。開業の準備と並行して、早めに動いてください。
1 食品衛生責任者の資格
飲食店を営業するために必須。1日の講習を受ければ取得できる。調理師免許・栄養士免許を持っている場合は免除。早めに受講しておく。
最優先で取得
2 飲食店営業許可
保健所への申請が必要。物件の内装が完成してから申請するため、工事完了のタイミングで保健所に事前相談しておくとスムーズ。
内装完成後すぐ申請
3 深夜酒類提供飲食店営業届
深夜0時以降にお酒を提供する場合に必要。管轄の警察署に届出。BARは多くの場合これが必要になる。届出は事前に余裕を持って。
オープン10日前までに
4 酒類販売業免許(必要な場合)
持ち帰り販売やボトルの小売りをする場合に必要。飲食提供だけなら不要。税務署に申請。
販売する場合のみ
開業前に保健所・警察署へ事前相談を
物件が決まったら、すぐに管轄の保健所と警察署に「事前相談」に行くことをおすすめします。申請のタイミングや書類の準備など、担当者に直接聞くのが最も確実で早いです。

許可申請は早め早めが鉄則。後回しにすると開業日がずれます。
物件探しを始める前にやること
「物件を見つけてから考える」という人は、ほぼ確実に失敗します。物件を探す前に、次の3つを決めておいてください。
物件探し前に決めておく3つのこと
この3つが決まっていないと、不動産業者と話が進まないし、いい物件を見ても「これにすべきか」の判断ができません。数字を先に決めることで、物件の良し悪しが初めて判断できるようになります。
また、物件探しは「飲食店専門の不動産会社」を使うことを強く勧めます。居抜き物件(前のテナントの内装・設備が残っている物件)を扱っていることが多く、初期コストを大幅に抑えられる可能性があります。
ロードマップ:開業前の全ステップ
ここまでの内容を整理します。迷ったときはこのロードマップに戻ってください。
1 コンセプト・業態・ターゲットを言語化する
「誰に・何を・なぜ自分が」を言葉にする。ここが全ての土台。
2 競合BARを10軒以上リサーチする
実際に足を運んで、価格・空気感・客層・メニューを体感する。
3 自己資金を確認する・融資を検討する
手元の資金と、日本政策金融公庫などへの融資申請の可能性を整理する。
4 食品衛生責任者の講習を受ける
1日で取得可能。先にとっておくと後が楽。
5 エリア・家賃・坪数の基準を決める
数字が決まって初めて物件探しが始められる。
6 飲食店専門の不動産業者に当たる
居抜き物件の情報を優先的に集める。複数社に当たる。
7 物件契約・内装業者に依頼する
物件決定後、すぐに複数社から見積もりを取る。
8 許認可申請(保健所・警察署)
内装工事と並行して申請準備を進める。
9 設備・備品・酒類の仕入れ
開業2〜4週間前には揃えて、オペレーションを練習する。
10 SNS・集客の事前仕込み・グランドオープン
開業前からSNSで発信を始める。オープン後も数字を追い続ける。
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準備が整ったBAR開業は、オープン初日から安定して動き出せる。
この記事のまとめ
- 最初にやるべきは「コンセプトの言語化」。物件探しより先にやる。
- 業態によって資金・許可・オペレーションが全く変わる。早めに決める。
- 開業は「早くて半年、普通は1年」かかる。全体スケジュールを把握して動く。
- 許認可は後回しにすると痛い目を見る。物件が決まったらすぐ動く。
- 物件探し前に「家賃上限・坪数・エリア」の3つを数字で決める。
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開業の失敗は「知識不足」より「相談不足」から始まります。
開業前・開業後どちらでもOK。まず話しましょう。
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