
「事業計画書は作ったのに、なぜか審査が通らない」
「BARの事業計画書の作り方」では基本構成を解説しましたが、
この記事では逆の視点、つまり「失敗しやすい事業計画書」の
特徴に注目して整理します。
失敗する事業計画書に共通する傾向
「熱意」はあっても「根拠」がない計画書が最も多い
審査担当者は、事業への情熱そのものよりも、
その情熱が数字と根拠に裏付けられているかを見ています。
熱意だけが先行した計画書は、説得力を欠きやすくなります。
売上予測が甘い計画書
❌ よくあるパターン
- 「月商300万円を目指す」など、根拠のない目標値だけが書かれている
- 客単価×客数×稼働率の積み上げ計算がされていない
- 開業初期から満席想定など、非現実的な稼働率を前提にしている
- 競合の状況や立地の需要と、売上予測の整合性が取れていない
「BARの事業計画書の作り方」で触れた積み上げ式の計算ができていない計画書は、
面談で数字の根拠を聞かれた瞬間に説得力を失います。
客単価・客数・稼働率、それぞれの数字に根拠を持たせることが必須です。
コンセプトが曖昧な計画書
❌ よくあるパターン
- 「誰にでも楽しんでもらえる店」など、ターゲットが定まっていない
- コンセプトと、実際のメニュー・価格帯・立地が一致していない
- 「BARのターゲット設定方法」で触れたペルソナ設定がされていない
- 差別化ポイントが「雰囲気の良さ」など抽象的な表現に留まっている
資金計画に穴がある計画書
⚠️ 見落とされがちな不備
- 運転資金(開業後数カ月分の余裕資金)が計画に含まれていない
- 開業前家賃(工事期間中の家賃負担)が考慮されていない
- 自己資金の内訳・形成過程が不明確(「BAR開業の自己資金はいくら必要?」も参照)
- 融資希望額に対して、返済計画が現実的な利益水準に基づいていない
資金計画の穴は、事業全体への信頼を一気に下げる
コンセプトやメニューがどれだけ魅力的でも、
資金計画に明らかな漏れがあると、
「この人は事業全体を把握できていない」という印象を与えてしまいます。
競合分析が浅い計画書
- 「競合はいません」など、調査不足を露呈する記述
- 競合店の名前を挙げるだけで、価格帯・客層・強み弱みの分析がない
- 「BAR開業前に市場調査する方法」で紹介したような、具体的な調査データが反映されていない
- 差別化ポイントが、競合分析から導き出されたものになっていない
リスク対策が書かれていない計画書
楽観的な数字だけの計画書は、かえって不安を与える
売上が計画未達だった場合の対応策、
急なスタッフ離職への備えなど、
悪いシナリオへの想定がまったくない計画書は、
「リスクを考えていない」という評価につながります。
✅ 盛り込むべきリスク対策の例
- 売上未達時の固定費見直し方針
- 資金繰りが厳しくなった場合の相談先の想定
- スタッフ離職・体調不良時のバックアップ体制
改善のためのセルフチェック
この記事のまとめ
- 失敗する事業計画書の多くは「熱意」はあっても「根拠」に欠けている。
- 売上予測は積み上げ式で計算されておらず、根拠のない目標値だけになりがち。
- コンセプトが曖昧なまま、メニューや価格帯との一貫性が取れていないケースが多い。
- 運転資金・開業前家賃の見落としなど、資金計画の穴は事業全体への信頼を損なう。
- 競合分析が浅いと、差別化ポイントの説得力も同時に失われる。
- 悪いシナリオへのリスク対策が書かれていることが、計画書全体の信頼性を高める。
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