
「コンセプトを決めましょう」と言われても、何から考えればいいか分からない
「BARのターゲット設定方法」でターゲットの重要性を解説しましたが、
コンセプトはそれよりさらに広い、店の根幹を成す要素です。
この記事では、開業前に固めておくべき5つのコンセプト要素を、
具体的な問いの形で整理します。
コンセプトは1つではなく5層で考える
「コンセプト」を一言で決めようとすると、抽象的になりすぎる
「大人の隠れ家」「気軽に一人で入れる店」といった
一言のコンセプトは分かりやすい反面、
実際の意思決定(メニュー、内装、接客)には落とし込みにくいものです。
5つの問いに分解することで、具体性が生まれます。
① 誰のための店か(ターゲット)
「BARのターゲット設定方法」で解説した内容と直結する要素
年齢層、利用シーン、経済水準、お酒への知識レベルなど、
複数の切り口を掛け合わせて具体的な客層像を描く必要があります。
✅ 決めるべき問い
- 主なターゲットは誰か(年齢、利用シーン)
- そのターゲットは、どんな悩み・欲求を持って来店するか
- ターゲットが実際にそのエリアに存在するか
② 何を提供する店か(商品コンセプト)
- ドリンクの方向性(定番中心か、オリジナルカクテル中心か)
- フードの位置づけ(乾き物中心か、しっかりした食事も提供するか)
- 得意分野・専門性(特定のスピリッツに特化するかなど)
商品コンセプトが曖昧だと、仕入れも接客もブレる
「BARで揃えるべきジン10選」のような仕入れの判断も、
商品コンセプトが明確であって初めて一貫性を持ちます。
③ どんな体験を提供する店か(体験コンセプト)
✅ 決めるべき問い
- お客様に、来店後どんな気持ちで帰ってほしいか
- 会話中心か、静かに飲むことを重視するか
- 一人で楽しむ店か、複数人での利用を想定するか
- 特別な日の利用か、日常使いの店か
体験コンセプトは、接客トークやBGM選びにまで影響する
「静かに飲みたい人向け」の店で、
にぎやかなBGMや積極的な会話を仕掛けてしまうと、
体験コンセプトとのミスマッチが起きます。
④ どんな世界観の店か(空間コンセプト)
「BARの店舗デザイン成功事例」で紹介した5つのデザイン型(隠れ家系、モダン系、レトロ系、インダストリアル系、ネオン系)も、この空間コンセプトの選択に直結します。
✅ 決めるべき問い
- 照明・内装のトーン(暖色系か、洗練された印象か)
- 音の演出(静かなBGMか、存在感のある音楽か)
- 内装への投資配分(「BARの店舗デザイン成功事例」も参照)
⑤ なぜ自分がやる店か(オーナーコンセプト)
最後の問いこそ、他店との差別化の源泉になる
同じような業態・立地の店は他にもあります。
「なぜ自分がこの店をやるのか」という個人的な背景・ストーリーが、
唯一無二の差別化ポイントになり得ます。
✅ 決めるべき問い
- なぜBARを開業しようと思ったのか
- 自分にしかない経験・強みは何か
- その背景を、お客様にどう伝えるか
5つの一貫性を確認する
5つの答えがバラバラだと、店全体がちぐはぐになる
ターゲットは若年層なのに、価格帯は高級路線、
空間は静かな大人向け、というようなズレがあると、
どの層にも刺さらない店になってしまいます。
✅ 最終チェック
- ターゲットと商品コンセプト(価格帯・メニュー)が合っているか
- 体験コンセプトと空間コンセプト(音・照明)が合っているか
- オーナーコンセプトが、他の4つの要素にきちんと反映されているか
- 「BARの事業計画書の作り方」の収支計画にも、このコンセプトが反映されているか
この記事のまとめ
- コンセプトは一言で決めず、「誰に」「何を」「どんな体験」「どんな世界観」「なぜ自分が」の5層で考える。
- ターゲット設定は、年齢・利用シーンなど複数の切り口を掛け合わせて具体化する。
- 商品コンセプトの明確さが、仕入れや接客の一貫性を支える土台になる。
- 体験コンセプトは、BGM選びや接客トークにまで影響する重要な要素。
- 空間コンセプトは、店舗デザインの型(隠れ家系、モダン系など)の選択に直結する。
- 「なぜ自分がやるのか」というオーナーコンセプトが、他店との差別化の源泉になる。
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